☆感染の心配な方に
                                                発熱外来開設のお知らせ
           
                自然なお産とは



当院はコロナ感染が日本中に広まった時期から「発熱外来」を開設しておりま
す。
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  ご心配な方は、まずはお電話でご相談ください。

 
感染が疑われ場合には 車の中 別の診察室 等での診察をし 一般の患者様への 感染を防ぎます。



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自然なお産とは

 当院は20年前の創立当初より自然な出産、母子同室と母乳育児を実践して来ました。その結果としての当院の過去20年間の出産と母乳の統計を示します。

  総出産数;9676件、うち双胎分娩59組118人(毎年ほぼ500〜600人の赤ちゃんが生まれます。)    

経膣自然分娩 90.0%
帝王切開 5.8% 2002年の帝王切開率はなんと4.3%!!
吸引分娩 3.8%
鉗子分娩 0.2%
骨盤位分娩 0.2%

  なるべく自然なお産を目指し、そのためにはいつでも緊急手術(帝王切開など)が少なくとも30分以内に行えるよう体制を整えました。そのために予防的な手術や適応の曖昧な手術はなくなり、病院の都合のためにではなく、純粋に赤ちゃんとお母さんのための出産体制が出来上がりました。世間では帝王切開率が15〜20%、ところによっては30%、40%とも言われる昨今、これだけの低い帝王切開率を示すことができています。

 会陰切開;出産時によく病院では「下のほう(会陰)を切って早く出したほうが、赤ちゃんにもお母さんにも楽!?」といわれ会陰切開がほとんどの施設で行われています。本当に必要なのでしょうか。
 
国連のWHOやユニセフはこの会陰切開を「無用なもの」としています。証拠を挙げて、すべきでないことと認定しております。切開され、痛いために育児にも支障が起こっていることは皆様のご存知のところです。当院では会陰切開は原則として行いません。

 
しかも、助産師たちの腕がよく、切開しないでも裂傷(傷ができてしまうこと)はできても軽くすんでしまいます。20年の統計を以下に示します。

会陰切開率  3.3
裂傷ができないもの 55〜70%
裂傷1度 25〜40%
裂傷2度 10%

 早産率;院内で生まれる早産のうち、34週以下の赤ちゃんは未熟児センターに送られて母子同室ができません。そのために妊娠中の管理をしっかりして、これを防ぐ努力を怠りません。この8年間で34週以下の早産は3例しかありません。全出生数の0.06%と驚異的に低い値です。
 
一方、どうしても体質や環境の違いで起こってしまう早産もあります。この場合には静岡県西部には聖隷浜松病院や聖隷三方原病院、浜松医大病院,医療センターなどに受け入れる体制があり、妊娠したままの母親を転院してゆくシステムが整っております。これを母体搬送(MT)と言って、生まれてから未熟児の赤ちゃんを母親から離して、別の病院に入院させるより、将来の予後が良い事が分かっています。MT(母体搬送)がやむをえないときにはなるべく早く、よい状態のままに送るのもわれわれ開業産婦人科医の仕事です。


当院の過去8年の統計では(単胎)母体搬送し、34週以下で送られた病院で出産した方は21人しかおりません。院内外を含め全部で24人(21+3)が残念ながら34週以下で生まれてしまいました。(0.5%)今後、このようにならないように研究し、努力してゆく所存ですが、全国の早産の率と比較すると当院のこの値は非常に好成績であります。

  陣痛誘発率;当院は病院の都合では、たとえばお正月やお盆のためにお産を早めたりはいたしません。8年間の陣痛誘発率は8.3%です。

しかし、破水しても24〜48時間たっても陣痛が来ないときや予定日を10日過ぎても陣痛が来ないときには陣痛促進剤を使います。WHOでも「一般の産科施設では陣痛誘発率は10%以下が望ましい」と述べられています。国際基準に合致しております。

 前回帝王切開;前回のお産が帝王切開だった場合にはまた帝王切開なのでしょうか?多くの産科施設ではまた帝王切開するかもしれません。しかし、WHOは必ずしもそれを認めておりません。むしろなるべく下から(経膣分娩)を薦めています。骨盤の広さのように何回出産しても変わらないようなものは仕方ないかもしれません。しかし、前回の出産が「逆子だった」とか、「胎児仮死だった」場合などのように、今回はならない可能性が強い場合には下からの出産が可能です。ただし、300回に一回くらいは子宮破裂が起こり、赤ちゃんの命が失われる、ことを知らねばなりません。至急破裂の場合には、急いでお腹を切ってだめになった赤ちゃんを取り出して、お母さんを救う手術が必要となります。

どっちがいいのでしょう。これを最終的に決めるのは赤ちゃんを産むお父さんとお母さんです。私たちは皆様が納得行くまで十分に説明し、後悔のないお産をしていただきたく懸命に努力をしてゆく所存です。

ちなみに2002年当院のVBAC(前回帝王切開後の経膣分娩のことをこういいます)は10/23でした。実に43%のお母さんにも帝王切開の後に、正常経膣分娩ができております。

骨盤位;いわゆる「逆子(さかご)」です。お産のときなどのトラブルが普通のお産より多いために、多くの施設では経膣分娩をいたしません。本当にこれでよいのでしょうか。骨盤位をいかにうまく娩出せしめるか、も大事な技術であるし学問であります。

普通、妊娠30週くらいまではあまり「逆子」とはいわないほうがよいでしょう。それは97%の胎児は自然に逆子でなくなってゆくからです。32週くらいになっても頭が上の時には背中側を上にして休んでいただくこと、さらに治らない時には胸膝位をしていただきます。(お尻を高く突き上げる体操)

それでもだめなときには、ウテメリン(子宮収縮抑制剤;早産防止の薬)を静注しながら外回転術をすることがあります。

これもその適応や、危険性をご家族によく理解していただいた後に、決定していただきます。

ちなみに2002年には11例の骨盤位がありました。そのうち3例は経膣でうまれました。経膣希望の方は全員希望どうりに生まれました。このほか8例の外回転で頭位になった方がおられます。(外回転の成功率は2/3です)

  骨盤位の方(37週);19人  

このうち8人が外回転で頭位となる。

残った11人のうち3人が経膣分娩を希望し成功
8人は帝王切開を希望し、帝王切開で無事出産
 

 母乳統計;過去8年の赤ちゃんの栄養状態を以下に記載します。
一滴でも人工乳を足したものは混合といたしました。

1ヵ月 4ヵ月
母乳 97.0% 93.9%
混合 2.7% 5.0%
人工乳 0.3% 1.1% n=4687
 出産後転院などした子を除く4687人を対象としました。

おっぱいが出るかどうかは、体質ではありません。一般に日本では、一ヶ月時の母乳率は30%といわれています。体質や環境や食べ物ではなく、母乳ができるか否かは、産科施設のケアー(母乳のやり方)に一番差があることが指摘されています。

皆様もよいお産について、よい育児について考えてみませんか?
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左の写真は当院でお産をされた方です。出生すぐにお母さんに抱かれ、このまま24時間母子同室が続きます。「たいへん」とお思いになりますか?可愛い赤ちゃんは出生時既に母親を認識していると言われますから、抱いて安心させてあげる事が大事です。抱かれると赤ちゃんは泣かなくなります。飼育ではなく、愛情と言う栄養を与える育児です。